カランコロン漂泊記2010/05/02 21:23

水木しげる氏の自伝をもう一つ読んでみました.

水木しげる(2010)カランコロン漂泊記—ゲゲゲの先生大いに語る-.小学館.284p.

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784093881180

例によってとぼけた自伝になっていますが,とても面白く読みました.もともと1997年にエッセイとして書かれたものと1999年にコミックエッセイとして書かれたものを2000年に小学館文庫として出版したもの.今回はその新装版です.


世の中には”不幸な”ひとというのがいる.即ち,普通の人よりも”満足感”とか”笑い”が少ない,というよりほとんどない人がいる.

幸,不幸というのも,自分以外のある力によって左右されるような気もする.

年をとると今まで気づかなかったことに気づくことがよくある.

”ボサツ”というホトケさまみたいなものが人々の中にまじっていて,我々をときどき助けてくれる.

人間なんていつ死ぬかわからんもんだ.そう思うと,毎日の「小さな幸福」といったようなものは,案外大切なものなんだ.

人間の一生は,気づかないが偶然のカタマリ.

生命を育てるには,目に見えない「愛情」が必要.


水木しげるの生きざまを知るには秀逸の本です.戦争体験と極貧生活の中からあの作品が生まれてきたことがよく分かりました.