NASAビデオ2009/01/03 11:23

NASAビデオでは,ポッドキャストを使って,最新のNASAの研究成果を配信しています.

http://www.nasa.gov/multimedia/podcasting/

iTunesで火星探査や北極の氷の変化,国際宇宙ステーションの様子などを閲覧できます.

英語のリスニングにも最適です.

宇宙や地球環境に興味のある方はぜひどうぞ.

ブリッジマンの技術2009/01/03 12:35

鎌田浩毅氏が最近出版されたコミュニケーションに関する本を読んでみました.

鎌田浩毅(2008)ブリッジマンの技術.講談社現代新書.196p.

http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=287972

鎌田さんは,火山学が専門でもともと産総研(旧地質調査所)に在職され,その後京都大に移られた方です.最近は,奇抜なスタイルでたびたびテレビにも登場しているのでご存じの方も多いのではないでしょうか?

鎌田さんの信条である「科学の伝道師」としての活躍は,昨今のアウトリーチ活動の先駆けともいうべきものであり,大いに参考になります.

今回の「ブリッジマンの技術」は,どうすれば人と良いコミュニケーションを取れるかをテーマとした本です.いかに相手のフレームワークと合わせるかが,コミュニケーションのポイント.「人間関係はフレームワークの橋わたしから」だそうです.

火山の噴火の際にも,難しい言葉で解説するのではなく,相手のフレームワークを考えた上で言葉を選ぶ必要があるといいます.

「読書は既に自分が持っている考えをなぞる行為である」
「人の行為はフレームワークが決定する」
人は勝手な動物で,自分の見たいように世界をねじまげて見ることがある.
人は周囲から知らないうちに付加されたフレームワークに支配されやすい.
もともと人間は思い込みに凝り固まっている.
たいていの人は,自分のフレームワークに合うものだけを好んで取り入れていく.

相手の関心に関心を持つ.
「事実」と「意見」を分けて相手の話を聞く.
やっていることだけが本当のこと
相手の話の腰を折らない.出てきた内容に対して,決して否定をしない.
オープンクエスチョン.
まず相手をよく見る.

意外に忘れているのが自分のこと.
人間関係の軋轢は,しばしば自分がどういう人間かわかっていないために起こる.
誰でも自分のフレームワークはなかなか見えない.
時には,自分では何も悪いことはしていない,と強く思いこんでいることもある.
自分とはフレームワークがことなるために全く見えない.
自分がどのような思い込みを持っているのかを知る.
自分のボディランゲージを見つける.
いまイライラしたか?
イライラを感じ取る練習から始める.
古今東西すぐにキレる人が成功した例はない.
「声に出す」.何度も声に出して目標を確認する.自分の出した声は,耳から無意識に入り込み,実行へと向かわせる.
「変えられるのは自分だけ」という心理学の法則がある.
「必要な部分だけ変える」 「一点だけ譲歩法」
「一時的優越感からの脱却」
相手に何でも素直になる.
形から入る.挨拶.愛嬌.感情や体調に翻弄されないシステムをつくる.
「水入り法」
言葉が重要.

フレームワークのオプションを複数用意する.
一人一人をターゲットにして考える.
相手の親しみやすい言い回しに換える.
レパートリーを多く持っておく.
たとえ話.具体的なエピソード.
「指さし法」
会話の「呼び水法」
「スローボール法」 相手の言うことをいったんは素直に受け止める.
「虎の威を借る法」
「先手必勝法」
「天の邪鬼法」
仲間意識を持つ.

むずかしい文章や本を読み解くことにも応用できる.
「ラベル解読法」 繰り返し用いられるキーワード
「関心法」
「棚上げ法」 ある時間をかけて進まなければ,それ以上は拘泥しない.困難に直面したときの見切り発車.むずかしい個所は後回しにする.
「要素分解法」 何かむずかしいことに直面したら最初にバラバラの要素に分ける.
「好奇心」 何でも頭を突っ込んで知りたいと日々過ごす.
名ブリッジマンは好奇心の塊から始まる.

最近コミュニケーションがどうもうまくいっていないなあと感じている方には特にお薦めの本です.